承啓楼を背に

 今回の旅行は前回のアモイを訪ねた旅では行くことが出来なかった所を、訪ねるために企画した。アモイには2002年2月19日より、南靖・泉州のツアーに出かけたが、今回は最大の土楼がある永定と、世界文化遺産に登録された武夷山を訪れることを目的としていた。

←承啓楼を背に

 

T.永定の客家土楼とはどういうものぞ。しかし帰路にとんでもないことが・・・

 永定は福建省でも南西の方向にある、いわゆる華僑の故郷であり、客家(ハッカ)と呼ばれる人々が住んでいる。最大の土楼「承啓楼」があることでも知られている。
 アモイより南靖土楼までは約2時間半の距離にあるが、永定の土楼は更に1時間半の時間を費やす。ただ、この2つの地域の間には1,200mもある峠が立ちはだかっている。道は極めて狭く、私達の乗ったマイクロバス1台がやっと通行できる程度である。もちろんガードレールなどもなく、片側は絶壁となっているところもあり、こんな所で転落すれば誰も見つけてはくれないだろうと思われた。対向車はほとんど見あたらず、永定から来る乗用車に時々であう程度である。 

 途中南靖にて前回訪れた土楼に立ち寄ったため、永定に着いたのは昼の12時半をまわってしまった。まず、振成楼にて客家料理の昼食をとることになったが、これはいわゆる中国の田舎料理のことで、食堂の隣では老婆が料理を作っていた。調理場は小さな調理台一つで、煮たり揚げたり至って簡単なものであった。この振成楼は、途中で見かけた土楼とは違って、世界文化遺産に登録をするために、周辺整備が進められており、来年にも仕上がるのだと案内人は胸を張った。

南靖の土楼
途中に寄った南靖↑

承啓楼前
↑まわりはきれいに整備されていた。

福成楼のそばにある方楼

 振成楼の周りは公園のように砂利が引かれ植裁も行われて、もう2〜3年もすれば一大観光地となるのではないかと思われた。流石にこの土楼は大きく、円形の4層建て、多重造りで、約200〜300人の人々が住むという。中心には一族の守り神が祀られる祖堂があり、巨大な砦であったことを連想すれば間違いない。この振成楼のそばには、これも大きな四角形の土楼がある。この土楼には円形のものと方形のものとがあるのだが、円形の”円楼”は福建省でも数百戸と少なく、四角に建てられた”方楼”が多数を占めるという。

←隣にある方楼。周りには芝生が敷かれ、一大庭園のようだ。

 昼食後はバスにて今回の旅の目的の一つ、承啓楼を訪ねた。この土楼は福建省で最大の大きさだと言われている。ゆえに、世界最大といわれるのであるが。この土楼自体の形は円楼であるが、この土楼というものは、方楼の他に半円形、五角形、八角形、三角形など幾種類かに分類されるという。例に漏れず、この承啓楼も周りを整備すべく工事中であった。もうしばらくすると振成楼の様に美しくなるのであろう。中に暮らす人も大変なことだ。

巨大な土楼の内部
↑巨大な土楼の内部。何層にも建物が建っているのがわかる。

永定に向かう道
↑こんなアスファルトと言うよりコンクリートの道を、日本であれば積載オーバーといわれてしまうトラックがばんばん走る。道理で道が痛むのが早いはずだ。

 この永定ツアーでの最大の悲劇は、帰路5時間の予定が途中の道路工事のために12時間を要し、ホテルには午前3時到着になってしまったことである。田んぼのようなぬかるみの道あり、国道でありながら舗装のアスファルトがお盆大の大きさに割れている道ありと、ランドクルーザーで荒野を走るようであった。ホテルに着いた頃には皆さんもううんざりという顔であった。

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(その2に続く)


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