U.あまり知られていない世界遺産・武夷山

武夷山
↑ポコポコといった感じの岩峰

 武夷山と聞いてその場所がわかる人は、よほどの中国通である。ましてこの地が世界文化遺産に指定されている景勝地であることは、日本でもまだまだ知られていない。武夷山は福建省の北西に位置し、1億年前の地殻変動により出現した奇妙な形をした岩峰が連なる山々の事である。写真で見ればすぐ納得するが、きのこやパンケーキの形だと想像すれば間違いない。これらを三十六峰と称する。

武夷山観光はまず、大きな独立峰である天遊峰の登山から始まる。麓にある駐車場にてバスを降り、しばらく歩くと橋を渡る。この川がチュウ江といい、午後の川下りの舞台となる。あたりを見渡すと、玉女峰や天柱峰が目前に大きく突出しているが、ひときわ大きな峰が目指す天遊峰である。
 ゲートにて入山料を払い、いよいよ登山となるのであるが、日本の琴平と同じように、担いで登る籠屋さんが「100元でどうだ」と盛んに誘いかけてくる。正面の玉遊峰への登山道は大きい岩を取り巻く様に急斜面に造られている。この道を見てツアーの参加者5名程が自分の足で登るのをあきらめ、籠のお世話になった。

籠に乗って武夷山登り
↑籠にのって武夷山登り。裏道といっても結構狭いところを登っていく。(下る?)

しかし、どのようにあんなに急な登山道を担いで登るのかと思っていたら、裏道がありそこから登るのだという。
 登山口には茶洞と呼ばれる小さな滝壺がある。雨がふると岸壁より滝となり、流れるというのだが、今は小さな一筋の流れがあるのみである。この水でお茶を入れると美味であるというのが、この茶洞のいわれである。

↓岸壁にへばりつく様な階段
岸壁に造られた階段

眼下に見える九曲渓と東屋
↑眼下に九曲渓と東屋を望む

ここより小さな柵に掴まりながら登るのであるが、登山道たる歩道は岩を削って造られており、階段になっていることもあって10分も登ると息が切れてくる。この階段は840段あるといわれ、途中にいかにも中国風の東屋があり休憩をした。

 変な形容であるが、ここで今まで登ってきた歩道を見るとまるで蟻の行列の様であった。
 さらに登ると頂上に出る。ここから見る景色は午後に舟下りする九曲渓が眼下に見渡せ、三十六峰の峰々がそびえ立つ。思わずツアーの皆さんより「絶景かな。絶景かな。」と幸せに大いに湧いた。別の道を籠にて登ってくる皆さんを待ったが、どうも我々の方が早く着いたらしい。帰路その道をたどったが、なるほど人を担いで早く登れるはずもなかった。(その3に続く)

雄大な景色を眼下に眺める

 

 


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