V.昆明からシーサンパンナへ

 現在の昆明

もう15年も前のことであろうか、昆明には高いビルもなく、ごく普通の田舎町でありホテルも翠湖賓館などごく少数あるにすぎなかった。一方現在の街を見てみると、これがたった15年ほど年月が経っただけであるのかと、現代中国の発展の早さに驚いてしまう。

<<現在の昆明市街:本当に様変わりだ。

  当時、もちろん石林へ行くにも高速道路もなく、片道3〜4時間の山道を走らねばならなかった。世界遺産に登録された麗江や大理などは、交通の便が悪く、少々の日数では訪れることができなかった。
 シーサンパンナは当時諸外国に開放されて間もない頃で、欧米人が少数民族に会いに多く訪れていた。シーサンパンナまでは思矛まで飛行機に乗り、そこから景洪まではバスの旅であった。現在は景洪は国際空港として開発され、国際線も就航しているとの事であり、もはや地方空港の域を超えている。

 シーサンパンナは3日間の日程を組み、八角亭や熱帯植物園の観光予定を組んでいた。しかし、以前は多くの欧米人が訪れた場所であったが、どの観光地を訪れてもまるで人影を見ることがなかった。以前は日本の大手旅行会社も雲南シーサンパンナの旅と多くのツアーを組んでいたが、最近はほとんど企画する旅行会社は見当たらない。確かに、多くの時間とお金をかけるほどの魅力がないのかもしれない。歴史的建造物もほとんどなく、少数民族と熱帯気候が売り物かもしれないが、すでに少数民族は漢民族化しており、植物園などはお客様に申し訳ないような施設であった。ただ、多くの台湾同胞が訪れているのが唯一の印象であった。

    植物園内の様子
    ↑植物園園内の様子 

村の様子↑
彼らは昔と変わらない暮らしをしている

 ガランパには泰旅公園があり、シーサンパンナの少数民族の村が園内設けられ実際に生活している。各家は公開されそれぞれの暮らしぶりを体験でき、家人が詳しく説明してくれる。私達が訪問した家庭は、ちょうど主人と奥さんがおられ私達を接待してくださった。まず、輪になってお茶をいただき、ガイドの通訳を通じて実際の生活について説明してくださった。建物は高床式になっており、大広間と小さな寝室が設けられているが、夫婦と子供達とは簡単な壁で仕切られお互いの話声など筒抜けとなり、とても日本では考えられない仕組みになっていた。これだと親と子供の間に隠し事などなく、大家族だんらんうらやましく感じられた。

園内にはショータイムがあり、民族衣装をきた美しい娘達が大音響のスピーカーから流れる曲にあわせ踊っていた。また周りには出店が並び、おいしそうなシシカバブが焼かれおなかのすいた我々を悩ました。ここはちょうどちょっとしたテーマパークのようであり、シーサンパンナでもっとも古いといわれる寺も保存している。

 この一画には大きなショッピングセンターが設けられ、各種民芸品や食料品、ここの特産品である木彫品が所狭しと並べられている。店舗の数は4〜50軒はあっただろうか、店に入ると各商店主が買わないかと声をかけてくれる。もちろん彼たちは我々が日本人と解るわけがなく、この地を多く訪れる台湾同胞だと勘違いしているようで、解らないと手を振ると怪訝な顔をしていた。ほとんど各店ともよく似た商品を売っており、一つの商品を手に取ると他の店の店主がこれを見てうちにもあると、大きなゼスチャーで我々を誘った。ほとんどが雑貨の類であったが価格は安く設定されており、10分か20分程度の休憩を考えていたが、1時間もの時間を要してしまった。ここにある木彫品は、小さなものから何百kgもありそうなテーブルなど展示され、外では実際に職人達が彫刻などを施していた。ここは卸もやるようで、バイヤー達も見かけられた。

  景洪からガランパへ行く途中には、チベットを源流とし、メコン川の上流である瀾滄江が流れており、河口のベトナムホーチミン市まで小さな貿易船が行き来をしている。個人旅行であれば、外国人でもミャンマーを経由してタイまで行けるとの話を聞いたが、実際は公には許可されていないといわれている。


悠々たる瀾滄江(メコン川)の流れ

W.中国からタイ北部へ

 

 

 

 シーサンパンナとタイのゴールデントライアングルは、直線距離に直すとミャンマーをはさんで300kmも離れているだろうか。両地区に共通するのは、タイ族の人々が暮らしているという事実と両地区の間を大河メコン川が流れていることに尽きる。景洪からは、ミャンマー(ビルマ)・タイ・ラオスと国際河川メコン川を荷物を運ぶ船は行き来しているが、観光客は景洪より昆明、チェンマイ、チェンライと飛行機を3回乗り継がなくてはならない。近いようでいて、大変遠いのである。(その3へ続く)

 

 

 

 

 



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