2.高時川とこいのぼりを訪ねて観音道を行く

こいのぼりに乗るブンジ


  今回のウォーキングは、JR高月駅から高時川沿いの道を北上し、観音堂を巡りながら再び高月駅へ戻るルートです。
この高時川沿いにある雨森という集落では、毎年子どもの日にちなんでたくさんのこいのぼりを揚げることで知られているんだ。特色ある町づくりをしていることでも有名な所です。
この雨森地区のほかにも、今回歩く高月町は国宝の観音様があることで知られ、町中に観音堂が点在しています。


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 今日は5月3日、憲法記念日。ゴールデンウィーク真っ只中です。

JR高月駅

 今回の出発点はJR高月駅です。←が高月駅駅舎だよ。なんか懐かしい感じだねぇ。特に左側にある丸い赤ポストに歴史を感じます。今時この形のポストが「駅前」に残っているとは。都会の斬新な駅もすごいけど、まだまだ田舎にはこんな駅舎が残っているんだね。奥の改札では駅員さんがきっぷ切ってます。

 高月駅の南側の道を東に横断して、すぐの所に「高月観音堂」があります。そのまま横の道を北上します。ほどなく 渡岸寺観音堂の案内板があり、観音堂へ通じる遊歩道が整備されています。渡岸寺はさすが町の主要観光地、観光客がたくさん訪れていました。国宝「十一面観音立像」を見るには入館料を支払います。渡岸寺の東隣には 歴史民俗資料館があり、詳しく観音について学ぶこともできるようになってます。

渡岸寺観音堂に続く道

 ところで「高月」という地名の由来って知ってる? ちょうど渡岸寺の南側の道路の脇に古いケヤキの木が立っていて、そこにその由来があったんです。

ケヤキの古木

ケヤキは古い名を「槻(ツキ)」と呼んだらしいけど、そのケヤキの古木が多いのでこの高月の地は、もともと「高槻」と名づけられたんだそう。後に、平安時代後期に大江匡房が月の名所として、この地を和歌に詠んだことから、「槻」を「月」に改め、「高月」と呼ばれるようになったんだって。名前を改められることがなかったら、大阪の「高槻」とごっちゃになっていたかもしれないねぇ。JRの駅名も「近江高槻」とかになってたりして。
ちなみに案内板によるとこのケヤキの木←は幹周り3.2mの木で、野神として祭られています。

 渡岸寺から東へ真っ直ぐ進み、国道365号を横断するとそこには高時川が流れています。高時川の西側の岸には遊歩道が設けられていて、のびのびとした気分で歩くことができます。川から涼しい風(この日は風も強かったけど・・)がきて、本当に気持ちいい!
しばらく北に向かって歩いていくと、突然見えてきました。今回の一番の目的、雨森のこいのぼりが。

高時川の流れ

こいのぼり

こいのぼり
↑1km近くにわたってこいのぼりの列が・・・。 これだけあると圧巻です。ちなみに手前の道は遊歩道。
 

 

竹の柱に連なるこいのぼり。風が強かったのでおもいっきりはためいていました。中には釣竿に獲物がかかったんじゃないか、というくらいしなっている竹の柱も。よくこれだけ揚げたもんです。雨森地区の広場では「こいのぼり祭り」なるイベントが開催されていて、フリーマーケットなど地元の方がやってたよ。

またまた、「たかつき」つながりでいうと、大阪の「高槻」市でも川にこいのぼりを上げるのが有名なんだ。ただ、大阪の方は川の両岸から紐を渡し、その紐にこいのぼりを吊り下げるような形になってます。(右の図を見てね→)
 日本各地でこいのぼりで有名なところあれど、偶然同じ名前の街でやっているということに何やら不思議な縁ですねぇ。

高槻のこいのぼり

雨森の街

 雨森はその名の通り、 雨森芳洲出生地として、近年、主に韓国を中心に文化交流を進めています。その中心となる施設が 雨森芳洲庵なんだ。さすがというか、町中にはハングル看板  のような、ハングル文字で書かれた看板もあったよ。積極的な町づくりをするところで、いろいろ賞ももらってるみたいです。(地区会館そばにいくつか賞の碑があったよ) ←は雨森の町の様子です。
こいのぼり祭りもあってか、たくさんの観光客が訪れていました。 チマチョゴリを着た人も見かけたよ。

雨森地区を後にして、今度は東へ一直線。高時川を横断し、ひたすら歩きます。次の目的地高野神社はつきあたりになります。集落の中を伸びる道はなだらかな坂になっていて、歩き続けているボクはちょっと疲れました。高野神社へ到着したらしばし休憩。この神社は重文「慈恵大師座像」が安置されているんだけど、誰も人がいないよぉ・・・。ボクだけなのだ。高野神社からは坂道を引き返し、途中から北へ伸びる道を進みます。途中、ふと山を見ていて気になったんだけど、新緑の季節なのに山が赤いところがあるんです。

高野神社前の道

どうも松の木が枯れているよう。そこそこの山々が赤くなってるのには、心が痛みます。何とかならないのかなぁ。そんなことを考えながら歩きました。

井明神橋より高時川を南に眺める

いったん木之本町の集落に入り西へ進むと、再び高時川に戻ってきました。←は井明神橋からの高時川の眺めです。この橋には欄干の両端、都合4箇所に→のような釣鐘のオブジェ(?)が付いてました。叩くとそれらしい音が出たよ。

釣鐘のオブジェ

でも何故こんなデザインのものが付いているんだろう? 不思議だ。

次の尾山釈迦堂(白山神社)まではもうすぐです。うっそうとした林の中にある鳥居を抜けると、そこには重文「釈迦如来座像」などが納められた収蔵庫がありました。でもここ、神社なんだけど鐘付堂もあるんだ。やっぱり昔は神仏混合だったからかなぁ。また、敷地内には白い花(→)が咲き誇っていました。

白い花

竪穴式住居から顔を見せるブンジ

大海道遺跡公園

次は道を南下して用水路沿いに歩きます。すると突然見えてくる竪穴式住居と高床式倉庫!しかも民家のすぐそばに! 発掘調査によりここからは竪穴式住居跡が122棟と倉庫跡12棟が見つかったんだそう。

今はここに古代住居が復元されて公園として残されているのだ。

あとはひたすら南下して高月駅を目指します。途中「芳洲国際通り」と名づけられた道はそばに歩道が整備され歩きやすいよ。柏原の交差点を通り抜けしばらく歩くと、→のようなアニメキャラクターの描かれたバス停(待合所)を発見! しかし「バス停」というのに肝心のバス停の看板がない! このあたりなら湖国バスだろうと思うんだけど、一体どんなバスが通っているんだろうか?

なぞのバス停

風が冷たくなる前に出発地のJR高月駅に到着し、今回のウォーキングは終わりです。
最後に− このルートは比較的車も通らず、遊歩道や歩道が整備されているので快適です。それにしても渡岸寺や雨森地区を除いて人気(ひとけ)がないこと。もちろん地元の人はいますが、いわゆる観光客は全く来ていない状態。尾山釈迦堂などは薄暗く、ちょっと怖いくらいです。
参考− 雨森のこいのぼりは例年4月29日〜こどもの日の5月5日まで揚げられているので、ご覧になりたい方は来年まで待ってね。また、いくつかの観音堂を回りましたが、ほとんど無人状態ですので観音様を拝観するにはあらかじめ予約が必要になります。(どおりで観光パンフレットにほとんど「予約必要」と書かれているわけだ) 道も平坦なのでレンタサイクルも良いのでは。(レンタサイクルの問い合わせは渡岸寺観音堂まで) ブンジでした。

 

 

 

 

 

 

 (2002年5月)

 


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